|
今回より,製作日記として造形時に考えたことや体験したことを回を分けて記していきたい(アマチュアかつ独学なので,間違いや勘違いしているところもたぶんにあると思う。あくまでも独り言である)。なお,取り組みのいきさつ等々のノウガキはイントロで述べているので,ここでは割愛する。 雑誌などでスクラッチに関する記事を見たりすると,造型に先立ち対象物のラフ・スケッチ(要は図面引き)を行って寸法やプロポーションを決定する目安にするようである。この度の初ゴジに関しては,サイズは大幅に違うものの立体のお手本があるので,そのようなことは行わなかった(なにぶん,性格が短気で無精なので,段取りを踏むのが苦手というのが正直なところである)。っが,頭部,手,足の比率を考えるために,合間でいくつかの絵は書いた。とくにパーツ,パーツの中心線をラフ上に書いて,最初の粘土の芯がどのあたりにくるのかを検討する際にはたいへん役立った。できることなら,いろいろな角度から見た平面図はあるにこしたことはないと思う。 次に素材であるが,今回はファンド(ファンド・ソフトタイプ;パジコ)を芯にフォルモ(アーチスタ・フォルモ;アートクレイ)を肉付けに利用することにした。だいたい怪獣物を手がける方は,石粉系粘土では,ファンド,フォルモ,ラドールあたりを単体もしくは複合して利用されているようである。これらの粘土は紙パルプと石粉に水と固着剤(接着剤)を混ぜたもので,各成分の質や配合比率により性質が変えられているとされる。 はじめてスクラッチを行った際には,ファンドのみを使用したが,どうも馴染めなかった。それをまとめてみると,1)硬化時間が長い(オーブン焼きにて短縮可能だが,結構コツがいる),2)硬化すると非常に硬く”削り”がしんどい,3)粘土の性質上,きめが細かいため硬化後の表面が滑らかになりすぎる→ゴジラの表皮の再現を行う上では不向き,4)粘土の固着材に酸系のものが利用されているためか,酢酸に似た臭いが鼻につく,5)造形の手直しとして硬化した表面を水で濡らしても再び柔らかくするのが困難等である。一方,フォルモ,ラドールでは,強度は落ちるものの上記のファンドのもつ欠点が緩和されている。粘土のもつ性質に由来する硬化後の荒くぼそつく感じは,鱗のモールドにはもってこいである。また,硬化後の成形のやりなおし(”削り”やすさや水分を含ませると再び柔らかくなる)が可能なことは大きなメリットであると思う。なお,フォルモとラドールは良く似た粘土であるが,ラドールの方が粒子が細かいのかスパチュラのとおり具合がよく,成形はしやすいように思う,しかしながら,硬化収縮がフォルモよりも大きいようである(水分の含み具合にもよるが)。このため,自分はフォルモを好んで使うようにしている(繊維質が多く,毛羽立ちが大きいのが難点)。このあたりは利用者の主観,好きずきにより使い分けがなされるかもしれない。(1. 終)
by hisaon13
| 2005-01-08 13:55
| 造型関連
|
ファン申請 |
||