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初ゴジの顔は狛犬や般若の面にたとえられることがある。 図は有名なポスターの切り取り画像であるが,確かに上記の創造物を連想させる顔つきをしている。これを書くに当たってネットで「狛犬」を検索してみたところ,幾つかの研究会のページが出てきた。少し見てみたのだが,実は狛犬はかなり奥が深いらしい。その起源も各説あり,形態・様相については,年代,地方等により違いが見られるそうである。なかには,初ゴジを大胆にデフォルメすれば,かなり近づけることが可能なほど似ているものがある。さらにキーワードをたどって検索をしていると,能面について紹介されたWEBページにたどりついた。能面(図)にも系が分かれた多種の顔がある。その中の鬼神系の面(下図右)の基本形相は,先の狛犬の顔に繋がるものがある(なお般若は怨霊系に含まれるそうである)。 狛犬や鬼神面を見ればわかるとおり,顔つきでまず目に飛び込んでくるのが,特徴的な眉,目および口である。眉と目の関係から見れば「怒っている」ようにも見えるし「泣いている」ようにも感じる。また,口をクローズアップすると「笑っている」ようである。 目に表情を与えているのが,目の大きさ,眉の形態および目と眉の位置的関係である。目は丸く,見開かれているようである。眉は,ぞの前方部で眼球をしっかり見せるよう反り上がり,後方の部分は切れ長のアシをもたされている。このアシが上に上がれば怒りが,また,下がれば泣きの様相が強くなる,上方斜め45゜あたりから見た眼球の位置は,眉の反り上がりが終わる変曲点あたりに配置されている。また,見てしかり口角のつり上がりは笑みを連想させる。 初ゴジの顔では,これらのパーツ構成がさりげなくなされていて,狛犬や鬼神面を連想させる要因となっている。映画が作られた当時のことを記した資料を見る限り,これらの顔を狙って造ったとの記載は見あたらない。ただ,偶然の産物とも思われず,古来より日本人に刷り込まれた「荒ぶる神」,「戒めの神」の象徴像として,初ゴジ造作に盛り込んだことはまず間違いないと思われる。
by hisaon13
| 2005-02-07 00:14
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