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原点に戻るということで雛形原型・スーツ製作の流れを整理しておくことにした。 図は雛形、スーツ製作に関わる事項を時系列に沿って大まかにまとめたものである。なお、各パートの時間的配置、内容、画像等はこれまで引用してきた資料に加え、雲斎氏の運営されるHP上に掲載されている『初代ゴジラの謎を追う』を参考にした。 ■雛形原型 1)ファースト・モデル(阿部和助のデザイン画を元にした第1案となる原型モデル。魚の鱗状表皮)→2)セカンドモデル(イボ状表皮)→3)サード・モデル(最終採用案。ワニの表皮状) ■撮影用スーツ 1)1号スーツ(いわゆるNGスーツ)、2)2号スーツ(主撮影(全身像)に使用) 雛形、スーツとも時系列では番号順に進むが、スーツの制作は雛形原型サードモデルの完成をまだずに開始されていたとされる。また、資料2)によれば1号スーツと2号スーツともほぼ同時に製作されたとも書かれているがその詳細は不明である。 雛形原型の製作順序において、資料1)をはじめとして幾つかの関連本においては、イボ状表皮のものがはじめに製作されたと記されているものがある。資料1)ではこの仮説を支持するような記事が記載されているので下記に引用しておく。 『インタビューこれでいこうや渡辺明に聞く(インタビュー池田憲章・竹内 博) (前略) 一回か二回かね、作り直したんじゃなしに、このウロコなんだよ。丸いツブツブくっつけたんだよな。で、この丸いというのは、大人しいと言うんだよね。ネンドの原型にヘラで切っちゃあ菱形のウロコみたいなの付けたんだけど、そんなのダメだちゅうんで、じゃこんな感じはどうだということで、ネンドを千切ってギュッギュッと、押しつけていく訳よ。そうすると、何か怖い感じになるといいうので、要するにワニ皮みたいだよね。 (中略) それでこの位のネンド原型持ってって、で、アゴでもこうグッと張らしてね。牙をギュッとやって、後ろの背びれも、こう誇張したやつをさ、持ってってこれでいくで—と、バーンと決めちゃった訳よ。(後略)』 なお、資料2)の中で著者は、上記の製作順序に反論するかのようにイボ状表皮のものが第2案であると強調して解説されている部分がある。 自分も造形物をみる限り、ウロコ→イボ→ワニ皮の順が正しいと思う。このあたりは、次にする。
by hisaon13
| 2008-01-14 11:01
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