|
本日は、昨晩のつづきでサードモデルの下顎における造作がどのようになされたかについて妄想をめぐらす。 造13にて引用したように松本明氏の回顧によれば、「(前略)それでこの位のネンド原型持ってって、で、アゴでもこうグッと張らしてね。牙をギュッとやって(中略)これでいくで—と、バーンと決めちゃった訳よ。(後略)」と述べられていることからも明らかなように、見映えの迫力増しにあったことは確かである。ただ、その造型を見る限り、細かな細工が施されていることから、氏の言われるような単純なボリューム増しということではなさそうで、何かお手本になるものがあったという推論が成り立つ。 先に記したように造型コンセプトには恐竜、そしてサードモデルではワニがキーワードとして出てくることから、めんどくさいので古代のワニに関して検索をかけてみた。そして、みつけたのがこのサイト。びっくりしたのはページ中の挿絵。件の下顎に非常に似ている。骨格も同時に掲載されているのだが、これからどのようにしたら、挿絵の様に復元されるのかはよくわからん(専門家が見ればそうなるのだろう)。このディノスクスはワニの先祖らしく体長は15メートルにも及ぶとされる。現存するワニの頭部についても調べてみたが、残念ながらそれらしきものは確認できなかった。 こうなってくると、別の視点、原点見直しということで阿部のデザイン画を確認してみたのだが、やはりソレはあった。左図のとおり、その原画における下顎の描写は非常に複雑になされており、サードモデルの造型に通じるものがあるようにみえる。 撮影スケジュールは非常に限られ、突貫作業の中で試行錯誤の造型作業であったことから、この造作は偶然の産物だったのかもしれない。 畑違いながら未知のクリーチャー創造という同じ使命を担った阿部氏と利光氏。勝手ながら、ここはデザイン画に対する畏敬の念が形づけたと考えたい。
by hisaon13
| 2008-02-14 22:39
| 造型関連
|
ファン申請 |
||